第3回 高野山の法話×高野山大学コラボ企画【現代にも生きる空海の思想】
この動画で学べるもの
視聴者は、空海の重要な思想である「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」の核心的な教えを学ぶことができます。これは、我々が仏の考え方をして仏の行動を取れば、この身このままで仏であるという考え方です。
特に以下の重要な概念と、現代社会での応用について理解が深まります。
心の働きと変化: 仏様は自分の心の中にいること、そしてこの心は自分自身の意識でいつでも変えることができるという教えです。すべての現象に対する判断や、善悪の分別を勝手に捉えているのも自分自身であり、この自分自身の心を知ること(如実知心)がいかに難しいか、そしてそれが悟りの境地であるという考え方です。
実践の重要性: 人々の優しさや、寄り添うことの大切さ、あるいは嫌なことを知ることは、座学ではなく、実践を通して体や感覚で得ることが大切だと学びます。
相互扶助と生かされている命: 高野山のスローガンである「生かせ命(いかせいのち)」の深い意味を理解できます。この命は、自分が生きているのではなく、多くの人やものに支えられて「生かされている」という認識がベースにあります。そして、その生かされた命で、周囲の存在(他者)の役に立っていくこと(利他)こそが、「生かせ命」の意味だと学びます。
密教の宇宙観(十々体蒙): 空海の著作『即身成仏義』に出てくる「十々体蒙なるを即身と名付く」という言葉を通じて、密教の壮大な世界観が解説されます。これは、大日如来の宮殿にかかる網の結び目に水晶のような玉(法種)が無数についており、それらが互いに360度すべてを映し合い、関係し合っている様子を指します。我々個人がこの玉374れば、普段気づいていないだけで、常に多くの命に支えられているということを示しています。この関係性を知り、そのために役立つ行動を取ることが、まさに仏の姿であると説かれています。